きょうの祇園祭(山鉾巡行)
梅雨明けが早かったせいか例年、1~2日は雷雨や夕立に見舞われる鉾建て~巡行の間、殆ど雨らしい雨は降らず、巡行を迎えた。今日も朝から快晴に近い晴れ。ジリジリと陽が街を焼いていく。
○注連縄切り
9時に出発した長刀鉾は15分ほどで四条麩屋町に建てられた斎竹に所にたどり着く。15日に建てられた時には竹だけが建っていたが、この時点で二本の竹の間に注連縄が張られている。長刀鉾の二階に乗ったお稚児さんが一刀のもとに切り落とす。その前に鉾の前にまな板を設え、だらんと垂れ下がった注連縄を棒で拾ってまな板に載せて、という手順があるのだが。一旦後ろに引っ込んだお稚児さんは付き人が所定の手順を終えた時点で再び登場して抜刀し斬りつける。今年も一発で決まって拍手喝采。
注連縄切りの時の動画。(約7MB)ぶれてます、酔わないように。つつくと音がします(たぶん)。QuickTimeで見られる筈。
○くじ改め
山鉾の巡行順は一部のくじ取らずな山鉾を除いて7/2にくじで決める。その結果を守っているかどうか、引いたくじを持参して確認してもらういわば関所。確認する奉行役は京都市長。くじを提出する前に山鉾の粽を上納するのが習わしのようで粽は京都府知事が受け取る。
くじは塗りの箱に納めて蓋を紐で結わえてある。その紐を扇子一本でほどき、蓋を開け独特の仕草で奉行に差し出す。奉行がくじを取り出し、読み上げて確認した後、蓋を戻し、再び扇子一本で紐を箱に巻き付ける。この一連の仕草を如何にスムーズに格好良く終えるかが見せ所。
折からの風で差し出した箱からくじが吹き飛ばされてしまう山鉾や草履が脱げてずっこける山鉾が続出。これも見所の一つ。
くじを改めた後は、舁き山なら奉行の前でくるっと回って四面を披露。綾傘鉾のように棒踊りなどの芸のある山は踊りを披露する。回せないようなでかい山鉾はそのまま通過。
御池通の有料観覧席前でもパフォーマンスはあるようだが、奉行前で行うこちらの方が格が高い。だが、格は高くても騒々しい。さして広くない四条通の歩道を見物人が埋め尽くす上に通行する人もいる。警察が通行止めにしたり一方通行にしたり、押し合うなと警告したりする声がひっきりなしに飛び交い喧噪状態。あんまり優雅ではない。
蟷螂山のパフォーマンス動画。(約9MB)つつくと音がします(たぶん)。QuickTimeで見られる筈。
○戻り鉾
巡行の見物はそこそこに、いつもの四条新町通交差点で戻り鉾を待つ。12時を過ぎた頃に戻り鉾一番、長刀鉾が到着。9時出発だから3時間の旅路。自分の鉾町に戻るまではあと半時間くらい掛かるだろうか。四条河原町や御池通では遠目にしか見えない辻回しを「危ないからどいて!」と怒られるくらい近くで見る事ができる。青竹を敷き詰め水をまき引き綱を車輪に絡める手際の良さと、押された横車にギシギシ軋みながら鉾が応えぐりんと回りだす力勝負は間近で見るのが一番だ
。長刀鉾の辻回し動画。(約6MB)つつくと音がします(たぶん)。QuickTimeで見られる筈。
長刀鉾は鉾頭の長刀を今年新調している。竹光だがプラチナ張りだそうで、なまくらなんだか豪華なんだか判らないが兎も角抜けるような夏の青空にギラリと輝いている。
何をしているの?と謎の多い屋根方。普段は屋根でくつろいでいる風にも見えるのだが、今年も新町通で大活躍。屋根にぶつかりそうになった信号機の支柱に対して体を張って応戦。何年か前は奥の硝子張りのビルと闘って落っこちそうになった勇者もいたっけ。おかげで今年も無事全基通過できた模様。
毎年目を引くのが鶏鉾の曳き手。朱色の笠を被っている。鶏冠なのだろうか? 菊水鉾の音頭取りが持つ団扇も特異。大抵は鉾オリジナルの扇子なんだが。菊の葉の形?なんか、天狗の団扇みたいに見えるんだけど。函谷鉾の辻回しの時の音頭(つつくと音がします)が何度聞いても「よ~い、よろしくねっ。よ~いよいっと。」と聞こえる。どうです?
最後に船鉾が鉾町に戻って巡行終了。およそ14時前。その後すぐに解体が始まり、明日の夕刻にはほぼ跡形もなくなる、筈。
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